@作業療法士になるには@作業療法士暦11年の作者が語る

知っておきたい作業療法

老年期障害の作業療法

老年期の障害とは?

脳卒中や骨折、認知症など高齢者に多い疾患のほか、老化による心身機能の低下は、単に生活が不自由になるというだけではなく、生きがいや楽しみをも奪います。作業療法士では、身体機能への働きかけの他、再び生きる目的や社会での役割を獲得してもらえるよう、支援を行います。

老年期といえば、何もかも減っていく、失われていく、というイメージがあるかもしれませんが、それは間違っています。長年培ってきた技能が全て失われることはありません。痴呆症で、家族の顔さえ忘れてしまったという患者さんでも、その道50年の技を披露してくれることがあります。その人らしさを発見し引き出すことも、作業療法士の仕事です。

意欲の回復

「寝たきりのままでいいんです」...と、訓練への意欲を失う患者さんは多くみられます。高齢な程、寝たきり生活が心身に及ぼす影響は大きくなります。日中、寝ている時間が長い分、夜間に覚醒し生活リズムも崩れ、新たな病気を引き起こします。

作業療法士は、意欲の回復を得意としています。患者さん1人1人に対し、能力、興味や関心、価値観ほか、内面的な個性に注目しており、患者さんの表情をいつの間にか変化させるのです。意欲を取り戻した患者さんは、新しい趣味や日課をみつけ、より主体的な生活を繰り広げていきます。

患者さんの個性にかかわる訓練は、作業療法士が主導権をにぎるというよりは、"患者さんと一緒に考える"という感覚の方が大きいと思います。患者さんの思い出の1ページに、私が記されている?!かもしれません。